平成18年度(2006)実施課題

重点1-1

課題名・オゾンを利用した廃プラスチックからのポリ塩化ビニル(PVC)の選択的除去

代表者:広島大学環境安全センター 西嶋 渉

概要:廃プラスチックのマテリアルリサイクル、サーマルリサイクルにおいて大きな障害となっている含有塩素の問題を解決するために、混合廃プラスチックからPVCを選択的に分離する技術を開発するプロジェクト。PVCと他のプラスチック類のオゾンに対する反応性の違いを利用し、オゾンと特異的に反応するPVCのみを廃プラスチックから選択的分離する。

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重点1-2

課題名・廃プラスチックをゴミ袋へ再生するリサイクル技術の開発

代表者:広島大学環境安全センター 西嶋 渉

概要:廃プラスチックのマテリアルリサイクルの用途拡大のために、消費量の多く、付加価値が高いゴミ袋に着目し、廃プラスチックからゴミ袋を製造する技術開発を行うプロジェクト。廃プラスチックのサーマルリサイクルからマテリアルリサイクルへの転換を後押しするための商品開発を目指す。

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重点1-3

課題名・RPF製品の熱安定性評価

代表者:広島工業大学 今岡 務

概要:廃プラスチックの固形燃料への変換によるサーマルリサイクルの促進において、RPF製造・保存における安全性を高める技術開発を行うプロジェクト。RDF施設で発生した火災等のトラブルを教訓にして、廃プラスチックの固形燃料化をより安全なリサイクル技術に高めることを目指す。

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重点2-1

課題名・浄水由来無機汚泥のリサイクルシステムの開発

代表者:広島大学大学院工学研究科 岡田光正

概要:浄水汚泥を農業・園芸用土としてリサイクルを進めることを目的に、凝集汚泥から凝集剤、マンガン、砒素等を除去する技術開発を行うプロジェクト。浄水汚泥中のリサイクルの障害になる成分を取り除き、良質の土としての再生を目指す。

重点2-2

課題名・建設汚泥からの環境配慮型コンクリート製品の開発

代表者:広島大学大学院工学研究科 荒木秀夫

概要:建設汚泥をコンクリート骨材としてリサイクルすることを目的に、建設汚泥をコンクリート骨材とするための造粒固化技術の開発を行うプロジェクト。現在一部路盤材等に利用されている建設汚泥のリサイクル用途を拡大し、リサイクル率を向上させることを目指す。

有機1

課題名・食品残渣の省エネルギー型乾燥・粉砕方法の開発

代表者:県立広島大学 西村和之

概要:水分含有量が高い食品廃棄物を飼料としてリサイクルすること目標に、食品廃棄物の乾燥、粉砕技術の開発を行うプロジェクト。腐敗しやすく、不均一であるという食品廃棄物のマイナスの特性を乾燥、粉砕(均一化)という一連の技術によって克服する。

有機2

課題名・BDFのターボジェット装置への応用

代表者:広島国際学院大学工学部 佐々木 健

概要:廃棄物として多量に排出されている食用廃油をディーゼル燃料(BDF)化し、ターボジェットエンジン(TJ)発電の混合燃料として利用することによりエネルギー利用効率の高度化を目指すプロジェクト。BDFのTJ発電への利用可能性を検討するとともに、グリストラップから固形化された油のTJへの応用や混合燃焼よる添加剤としての効果を合わせて検討する。BDFをTJ発電へ利用できれば、廃熱エネルギー利用の効率化や炭酸ガス排出抑制の促進が期待できる。

有機3

課題名・工業用廃ゴムチップの緑化基盤材としての評価

代表者:福山大学 冨田武満

概要:タイヤ、パッキン等廃ゴム製品のサーマルリサイクルからマテリアルリサイクルへの転換を目指して、ゴムチップの緑化基盤材としての特性を評価するためのプロジェクト。

有機4

課題名・自動車廃オイルと廃冷却水の高温ガス化による燃料ガス生成

代表者:広島国際学院大学工学部 渡邊真彦

概要:使用済み自動車解体時に多量に排出される廃オイルおよび廃冷却水から燃料ガスを生成するための高温ガス化システムの技術開発を行うプロジェクト。

有機5

課題名・有機性廃棄物を原料とした機能性炭化物の製造とリサイクルシステムの検討

代表者:広島工業大学 今岡 務

概要:現状においては未利用の各種有機性廃棄物を原料として炭化物を製造し,その機能性に応じた新しい用途先を開拓するとともに,機能性物質の添加配合などによりさらに機能性を高めた炭化製品の製造・開発に関する情報収集・市場調査ならびに基礎技術の検討を行う。炭化物の機能性の評価例として,県内で現在は多くの場合野焼き処分されている廃カキイカダの主要部材(廃竹)から炭化物である竹炭を製造し,そのケイ酸イオン供給能を付与した藻礁・漁礁としてオンサイトでのリサイクルを図るシステム等について検討するプロジェクト。

有機6

課題名・トマト残渣の超臨界水ガス化を用いた燃料電池運転システムの開発

代表者:広島大学大学院工学研究科 松村幸彦

概要:農業廃棄物からクリーンなガスが抽出できる超臨界水ガス化技術を利用し、クリーンな発電が可能な燃料電池を利用した小規模分散型の資源循環システムの開発を行うプロジェクト。農地への残渣鍬込みが困難な場合があるハウス栽培等を対象とし、ハウス栽培で必要な気候条件管理エネルギーや温熱エネルギーの一部を農業廃棄物を用いて供給することを目的としている。

無機1

課題名・廃石膏ボードから製造する凝集固化剤の評価

代表者:広島工業大学 今岡 務

概要:廃石膏ボードから分離した石膏粉体から半水石膏を生産し、建設汚泥等に対する凝集固化剤として特性を把握するためのプロジェクト。半水石膏の凝集固化剤としての可能性を検討し、リサイクルの進んでいない廃石膏ボードのリサイクル促進に寄与する。

無機2

課題名・溶融スラグ中の有用金属の資源化

代表者:東和科学(株)郷田文吾

概要:産業廃棄物の焼却残渣の溶融化に伴い発生する溶融スラグ中の有用金属の資源価値を評価し、リサイクルに結びつけるプロジェクト。

無機3

課題名・鉄鋼スラグの海域環境改善のための微生物担体としての利用

代表者:広島国際学院大学工学部 遠藤敏郎

概要:鉄鋼スラグから多孔質スラグ塊を作成し、ここに微生物を固定化することによって海域に蓄積したヘドロを分解させることを目指したプロジェクト。

無機4

課題名・砥石廃材を活用する非焼成セラミックスの製造

代表者:近畿大学 在永末徳

概要:砥石廃材として排出される微粒子を材料に非焼成セラミックスを製造する技術開発を行うプロジェクト。消石灰を主原料、砥石廃材を副原料として製造する非焼成セラミックスは、従来の焼成セラミックスに比べて焼成工程を必要としないことからコストパフォーマンスが高く、その性能が保証されれば高い市場性を持つことが期待される。

無機5

課題名・コンクリートへのICチップ埋設による構造物の共用長期化に関する研究

代表者:広島大学大学院工学研究科 河合研至

概要:コンクリート構造物の延命化とコンクリートの再生利用を図るために構造物新設時のコンクリートの諸元をICチップにより管理するシステムを構築するプロジェクト。コンクリートの諸元をICチップに記録して埋め込むことにより、共用期間中の適切な維持管理により構造物の延命化が図れるとともに、解体コンクリートの再利用の最適化が期待できる。

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無機6

課題名・生分解性感温性ポリマーを用いた無機汚泥の新規な脱水技術の開発

代表者:広島大学大学院工学研究科 迫原修治

概要:高含水率を示す汚泥のリサイクルでは中間処理である脱水・乾燥を効率的に行うことが必要であるが、本プロジェクトでは、感温性ポリマーが持つ温度変化に伴う親・疎水転移を利用して汚泥を脱水技術の開発を目指す。

無機7

課題名・水熱処理による繊維強化プラスチックのリサイクル技術開発

代表者:広島工業大学 今岡 務

概要:99%が埋立により処分されている廃FRPを有効利用するために水熱処理技術の適応可能性を検討する調査研究プロジェクト。廃FRPの有効利用は、マテリアルリサイクルやセメント原燃料としての利用が検討されているものの未だに十分ではなく、他のプラスチックと同様に埋立用地の延命に向けて有効利用技術の開発が望まれている。

無機8

課題名・CCA建築廃材の処理技術の実用化

代表者:広島大学環境安全センター 西嶋 渉

概要:建築廃材には、防虫、防蟻の為CCA処理(木材中にCr,Cu,Asを含浸)されたものが多数あり建築廃材のリサイクルを妨げている一因となっているが、本プロジェクトでは、製紙原料化工程である蒸解を利用してCCA廃材から重金属を除去し、処理された廃材を製紙原料としてリサイクルすることを目的としている。

無機9

課題名・RC材(再生砕石)の性能改善、特性評価と機能開発

代表者:広島工業大学 今岡 務

概要:再生材料であるRC材の利用を拡大するための調査・技術開発を行うプロジェクト。様々な観点からRC材の利用が拡大しない要因を明らかにすると同時に、問題のひとつであるモルタル付着を改善するためのRC材からのモルタルの除去方法を検討する。

無機10

課題名・製鋼スラグと微細藻からなる環境改善材の開発

代表者:広島大学大学院生物圏科学研究科 山本民次

概要:イオン性結晶構造を有し、リン、ケイ素、鉄などの栄養素がゆっくりと溶出する製鋼スラグの特性を生かし、微細藻類を付着させた環境改善材としてリサイクルするためのプロジェクト。ヘドロ化した底泥上にこの微細藻類を付着した製鋼スラグを散布することによって微細藻類の生産する酸素によって底泥を改善することができると考えられ、製鋼スラグの有用なリサイクル用途として期待できる。

循環1

課題名・湿潤系有機性廃棄物の簡易成分測定法および発生源データベースの開発

代表者:広島工業大学 今岡 務

概要:食品廃棄物を中心とした湿潤系有機性廃棄物の飼料化等によるリサイクルを目指して、多様な廃棄物を近赤外線を利用した簡易測定により特性把握し、データベースとしてまとめるプロジェクト。

循環2

課題名・有機性廃棄物及びその再生品の物流ネットワークシステムの開発

代表者:県立広島大学 西村和之

概要:食品廃棄物を含む有機性廃棄物のリサイクル施設への収集・運搬、製造されたコンポスト等リサイクル製品の搬送等効率的な物流ネットワークシステム開発を行うプロジェクト。ネットワークシステム開発を通じて、リサイクルに関わる物流コスト削減を目指し、リサイクル促進に寄与する。

循環3

課題名・感染性医療廃棄物適正処理に関する調査研究

代表者:広島大学大学院工学研究科 岡田光正

概要:医療機関内の廃棄物担当者が自分の医療機関が他と比較してどのような状況であるか?を判断できる指標を提示し、医療機関自らが医療系廃棄物の適正処理の方向性を見出すための適正処理立案支援システムの提供を試みるプロジェクト。病院の規模、科目、経営方針などに合わせて医療系廃棄物処理に関する問題点を洗い出し、病院経営を圧迫する原因となっている廃棄物の適正処理・処分への意識の向上を促すことにより、医療廃棄物の不法投棄や不適正処理等、環境悪化に対する潜在的リスクを低減することが期待できる。