令和元年度(2019)実施課題

実証1

【課題名】廃プラと金属屑(切削切粉)を活用したテント用支柱支持具の実用化研究

【代表者】 有限会社サンセイ工業 ・ 三宅 秀信

【概要】テント用支持具作製にあたって、事業に必要な効率的な成形法、原材料の条件、製品強度、耐久性等を明らかにする。 1.実用的成形法の検討 効果的な金型形状(半割成形金型、一括成形金型等)を検討し,量産に適した成形方法(押出成形、プレス成形等)を決定する。 2.使用材料の条件 廃プラスチックの入手範囲を拡大するため、様々な廃材(混合物、不純物などを含む廃プラスチック)の適用性を検討する。 3.製品の機能(形状、色)   使いやすい形状(脱着方法、保管方法)や美観(添加物による着色)を検討する。 4.量産化への検討 関連企業と協力して設備導入・量産化の検討を行い、試供品を顧客企業に提供・評価してもらうことで、新たな課題点を抽出し、事業化に取り組む。

実証2

【課題名】中古二次蓄電池リユース促進の為の省エネ電源システム開発

【代表者】 ㈱西日本エイテック ・ 大橋 昌弘

【概要】現在様々な機器に二次電池が利用されている.中でも鉛蓄電池はその歴史の長さや安定・安全性から輸送機器をはじめ施設用バックアップ電源として莫大な量が日々利用されている.また,これらの鉛蓄電池は複数個の電池セルを組み合わせたブロック電池として利用される事が多い。これまで定期メンテナンスなどでは全数を新品へ入れ替える措置がとられる事が多く,交換コストの増大や環境負荷への配慮から近年リユース電池への期待が高まっていたが,我々はこれまでに中古二次電池のリコンディションシステムを開発し,高所作業車用鉛蓄電池のリユースおよび設備用鉛二次電池の診断・リユースをビジネス化した。またその際,リユースに適さない低級二次電池が多量に余る。 今回の実証研究ではこれらの設備用としては利用不能な二次電池を農業用途で利用されている防蛾LEDランプの駆動などに利用出来る省エネ電源システムを製作し,太陽光発電および余剰電力買い取り制度(FIT)と組み合わせたフィールドでの運用を行い,事業化に向けたビジネスモデルを構築することを目指す。

一般1

【課題名】産業廃棄物焼却炉から発生する焼却灰の脱塩及び有害金属の分離に関する研究

【代表者】 ツネイシカムテックス㈱ ・ 河野 大輔

【概要】ツネイシカムテックスが保有する産業廃棄物焼却施設から発生する焼却灰をリサイクルするための技術を開発することを目的として、次の2つの技術について確立を目指す。 ①焼却段階から焼却灰の品質を意識した燃焼コントロール技術 ②焼却灰から塩分や有害金属を分離するための分離技術 ①では、平成30年に確立できた炉内温度、環境の評価方法を使用して、焼却炉の燃焼空気量や温度、投入物のカロリー調整などを変化させた際の炉内での燃焼状況を評価、比較する。各燃焼状況において発生する焼却灰中の塩分濃度、重金属濃度を比較し、燃焼状況と焼却灰の品質の因果関係の解明を目指す。 ②では、焼却灰の洗浄において効率的洗浄、洗浄排水の発生量削減の為に、廃酸を使用しての洗浄による脱塩、重金属除去等の技術の検証を進めていく。

一般2

【課題名】太陽光パネルの効率的なリサイクシステムの構築

【代表者】 ㈱スナダ ・ 八幡原 一

【概要】平成29年9月総務省勧告「太陽光パネルの廃棄処分」について、災害パネル、損傷パネルの対処、使用済みパネルの回収・適正処理・リサイクルシステム等が社会問題となっている。これに対処するため、平成29年度広島県廃棄物排出抑制・リサイクル施設設備費補助金により「太陽光パネルリサイクル装置」を設置し、廃太陽光パネルのリサイクルを行っている。  実際にリサイクルを行う過程で、「有価・有害物の含有量把握」、「ガラス中の有害物質の除去」や「バックシート上のセル、ガラス付着の分離」など課題が多く残る。これらの調査、検証を通じて、低コストな廃太陽光パネルのリサイクル技術の確立を目指す。

一般3

【課題名】植物性食品廃棄物からのブランド化飼料用DHA・EPAサプリメントの生産

【代表者】 ㈱山豊 ・ 山本 千曲

【概要】本研究開発では、レモン外皮や広島菜の葉くずなど広島県に特徴的な植物性食品廃棄物を用いてDHAやEPAを生産するラビリンチュラ類を培養し、食品廃棄物と同類バイオマスの混合物を水産物や家禽生産物の飼料に添加する”地域ブランド化”DHA・EPAサプリメントとして利用できることを実証する。 研究分担者の中井は、DHAやEPAを生産するAurantiochytrium sp. L3W株が広島菜やレモン外皮などで培養可能であることを既に確認している。本研究開発では、広島菜の切り株、レモン外皮等の植物性食品廃棄物を用いてL3W株を大量培養し、水産飼料や家禽用飼料に添加するDHA・EPAサプリメントを製造する技術を確立する。次に、そうして得られた飼料用DHA・EPAサプリメントをサーモンやニワトリに給餌し、サプリメント添加による魚肉や鶏卵、鶏肉といった水産物、畜産製品へのDHA・EPA蓄積やその他の効果を明らかにすることで、レモン外皮や広島菜の葉くずといった植物性食品廃棄物を飼料用サプリメントとして利用できることを実証する。

一般4

【課題名】透湿性シートを用いた発酵手法に関する研究

【代表者】 双葉三共㈱ ・ 松本 靖生

【概要】近年、ドイツにおいて普及が進んでいる透湿性シートを用いた発酵手法について、日本の下水汚泥リサイクルにおいても導入が可能か,また、従来の発酵手法に比し、成果物としての肥料にどのような違いが出るか,等について研究を行う。

一般5

【課題名】廃棄物の3Rとしてのバイオコークスの製造実験

【代表者】 (一社)地域QOL研究所 ・ 田村 眞悠

【概要】循環型社会推進の中で、身近な廃棄物の減量やリサイクルを促進することは、地球規模の循環型社会推進の「低炭素化」「資源循環」という二つの課題の克服につながる。この取組に日本が誇るバイオコークスの利用を3Rに適用し循環型社会推進を目指す。バイオコークスは、近畿大学を中心に実用化が進められているが、身近な廃棄物への適用には更なる実証が必要な状況にある。 本研究事業は、幅広い廃棄物のバイオコークスを製造し、廃棄物に合わせたベストな3Rのシステム化を目指す。廃棄物選定、前処理装置の整備、バイオコークス製造、バイオマスガス化炉に適用しての熱回収、バイオコークス性状評価を行い最適化を図り、実証化につなぐ。逐次,評価を行い廃棄物の3Rとしてのバイオコークス製造における諸課題を把握する。

一般6

【課題名】海洋プラスチックゴミ削減のための牡蠣選別工程に関する研究

【代表者】 広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター ・ 縄稚 典生

【概要】牡蠣の養殖では筏を利用した垂下式養殖が主流であり,この養殖では牡蠣の採苗器となる貝殻と,それらの間隔を保つためのプラスチックパイプが交互になるような形で筏からぶら下げられている。牡蠣の陸揚げ後の洗浄・選別工程でパイプは7割程度回収されているが,破損したパイプと取りこぼしのパイプが残渣に混入し海洋に流出している。 パイプを海洋へ流出させないために既存の洗浄・選別工程に汎用的に設置できる改良を施し,安価でパイプの回収率を向上させ,100%選別できる選別工程の開発を行う。具体的にはパイプと残渣の形状の違い,または比重の違いを利用した選別方法の実験機の装置設計・製作および検証実験を行う。

一般7

【課題名】廃LED照明(ランプ)の効率的解体選別システムの構築

【代表者】 株式会社こっこー ・ 美野 健二

【概要】蛍光ランプに代わり普及し始めているLED照明(ランプ)は、普及に伴い新たな廃棄物として排出し始めている。 廃棄されたLED照明(ランプ)は、手解体やシュレッダーでの破砕処理で廃棄物と有価物に選別されているが、その処理方法は、必ずしも効率良いものとは言えない。  そこで、今年度については、次の項目について研究開発を推進し、廃LED照明の効率的解体選別システムの構築を目指す。 ①手解体処理の効率化につなげる解体補助装置の検討・試作 ②解体物からさらに構成物を分離する装置の検討・試作 ③選別された有価物の分析によるリサイクル品位の特定と評価基準の調査 ④実証へ向けたビジネスモデルの構築・事業採算性の検証

一般8

【課題名】リチウムイオン電池に含まれる有用金属回収技術の研究

【代表者】 株式会社フラップリゾート ・ 廣瀬 敏典

【概要】リチウムイオン電池内素材のうち、有価金属である銅箔及び極材粉体の回収率及び価値を高めるために、破砕・選別・抽出処理技術についての研究を実施する。  現行破砕設備(二軸破砕機)に加えて、リチウムイオン電池の破砕に最適な破砕機種別を検証する。具体的には、二軸破砕機(破砕刃の種類とサイズを変えたもの)と竪型ハンマー式破砕機、竪型チェーン式破砕機の3種類の破砕機による破砕試験を実施したうえで、破砕効率の高い破砕機種別について検証する。  また、銅箔の価値を高めるために銅箔付着物(正極材等の粉体)の除去方法について付着物除去装置の試作機を製作したうえで、銅箔からの付着物除去の検証を実施する。  併せて極材粉体からのニッケル、コバルト抽出技術についての調査・検証を実施する。  これらの検証により、リチウムイオン電池からの有価金属回収に最適なリサイクル処理システムの基礎データ構築を目的とする。

一般9

【課題名】使用済み自動車用バンパー類のリサイクルシステムの研究

【代表者】 ㈱荒谷商会 ・ 八畝田 諭仁

【概要】本研究は、使用済自動車に搭載されているバンパー類のマテリアルリサイクルを目的とするものである。そのため、現在一部で行われているリサイクルシステム(当然同業者が参画している)の現状を把握し、当社としての事業化の見通しをつける。 主な課題は①回収技術の開発とコストの把握、②商品化のための最適な設備の選択および複数のメーカー製のバンパーの混合破砕が可能か否かを追求する、③コンパウンドメーカーと売却価格および売却品質の調整などである。 これらの課題解決のため以下の手順で次研究を行う。 (1)現在の車載バンパーのリサイクルの現状を把握し、当社保有のプラスチック破砕装置などで商品化可能性を研究する。(初年度) (2)最適な装置、工具を開発する。(2年度) (3)事業化のための商品化開発。(3年度)

一般10

【課題名】廃棄物を出さないPEパイプ製かき筏の開発

【代表者】 かなわ水産㈱ ・ 三保 達郎

【概要】廃棄物を出さないPE製かき養殖筏の優位性を高めるため,次の4項目について研究を行う。 【1】現状の竹筏に匹敵する収容密度での養殖が可能な筏形状に改良を行い,かきの生育状況について検討を行う。 【2】作業性や安全性を向上させるための方策をリサイクル可能な部材で提案する。 【3】養殖資材の使用料を低減し,廃棄物を出さない方策として,育成に最適な水深の利用について検討する。 【4】PE製筏の搖動特性を数値化し,PE以外のリサイクル可能な資材から,かき養殖筏に利用できそうな資材について検討する。

一般11

【課題名】ジビエ産廃物を活用する新たなバイオマス燃料の開発研究

【代表者】 アヲハタ株式会社 ・ 藤原 祐治

【概要】有害鳥獣による農作物の被害が広島県下において大きな社会問題となっており、特にイノシシの捕獲から解体、食肉化もしくは飼料化、その後の廃棄物の処理に至る一連の流れが滞りなく運営されるような仕組みの構築が求められている。このうち解体後のサシ(脂身)部分の処理(廃棄処分)が手付かずの課題である。一方で、申請者(アヲハタ)は、ジャム作りに大量のエネルギー(ボイラー用燃料)を使用しており、CO2排出量抑制の必要性に迫られている。そこで、現在使用しているLPG燃料からバイオマス燃料への転換を検討したが、コスト等の課題から実用に至っていない。そこで、本研究は、竹の間伐材によるチップや、通常のバイオマスチップを母材として、これにサシ部を混錬し、安価で高発熱量のバイオマス燃料の開発を目的とし、製造方法の確立、燃料としての性状の評価、および燃焼時の課題抽出を行う。 本研究の最終段階では、自社保有のいちごの圃場でのハウス用の燃料として実証を行い、事業の採算性を評価するものである。

一般12

【課題名】廃棄物処理業支援技術としてのIT(AI)活用の可能性に関する研究

【代表者】 ㈱オガワエコノス ・ 藤村 卓磨

【概要】廃棄物処理業においては、その多くの作業について、人手を使った作業や判断に基づいて行われていることが多い。しかしながら、現在技術的進歩が著しいAIを始めとするIT関連の技術を活用することで、選別作業での処理能力向上や効率の良い収集運搬ルート設定などを行うことにより、限られた時間内で、少しでも多くのリサイクルが出来る可能性がある。 また人材不足が叫ばれる昨今においては、人手不足によるリサイクル率の低下も懸念される為、人間の代替手段の模索は、廃棄物処理業界においても求められるところである。 本研究では、廃棄物処理業(収集運搬業・中間処理業)におけるAI技術活用について研究し、可能な範囲でその実用化・事業化について検討を行うものである。

一般13

【課題名】災害廃棄物の円滑な処理・リサイクルの推進に向けた研究

【代表者】 一般社団法人広島県資源循環協会 ・ 槙岡 達真

【概要】・平成30年7月豪雨をはじめ,近年全国各地で想定を超える災害が頻発しており,それに伴う災害廃棄物の円滑な処理・リサイクルが災害からの早期復旧・復興にとって重要かつ喫緊の課題となっている。 ・災害廃棄物を産業廃棄物処理業者等に委託処理する場合,廃棄物の種類に応じた適切な処理方法や単価設定等が必要となるが,これらは廃棄物の性状,発生量,処理方法,地域性等によって大きく異なり,標準単価等が存在しない状況にある。 ・そのため,災害廃棄物は処理の開始までに長期間を要し,廃棄物の円滑・迅速な処理に支障を及ぼしているものと考えられる。 ・こうした問題解決の一助として本研究では,平成30年7月豪雨の経験を踏まえ,災害廃棄物の処理に関する諸情報を収集し,その種類や性状に応じた処理方法,処理費用等の特徴を明らかにするとともに,これらを踏まえた標準的かつ適正な処理単価の提案やリサイクル推進方策等を検討することを目的とする。