課題名・廃ガラス発泡体を用いた省維持管理・高収益高設栽培システムの提案
代表者:株式会社こっこー 山根 一夫
概要:広島県内のガラス瓶等の廃ガラス処理は、循環型社会構築の課題の一つであり、再生製品である廃ガラス発泡体(製造:株式会社こっこー)の無機質かつ多孔質(超軽量)という特徴に着眼した新規用途開拓を行い、循環型社会の一助を目指す。
具体的には、廃ガラス発泡体を用いた高設栽培システム「省維持管理・高収益高設栽培システム」の実証により、栽培システムの構築及び事業採算性の検証を行う。
今年度については、次の2点に着目し、農家(尾道市因島重井町)にて実証試験を行う。
①営農者向けの画一的な栽培方法の確立(農作業のマニュアル化・軽労化)
②本システムにおける収益性の検討 (新農業の提案)
課題名・小型焼却炉廃熱利用に関する研究:熱交換器及び利用システムの開発
代表者:株式会社カンサイ 川本 義勝
概要:本研究では前年度小型焼却炉から熱を回収し、データー取りを行い実証を目指し研究を行なってきたが、運転時間のデーターの不足と熱交換パイプの材質劣化に問題が判明し本年度実証設計を基本に次年度実証を目指す為の研究を推進していく。尚研究結果においては、10%の熱回収率と20%以上の重油消費量の削減効果及び経済効果30%以上の結果が得られる事が証明された事により今後は「熱回収施設設置者」に認定されるような装置の開発、利用システムの設計に必要な実験を行う。
・研究実施場所 ㈱カンサイ 産業廃棄物焼却炉
・研究方法 上記焼却炉、2次燃焼後に熱交換器の小型モデルを設置する。
空気温度、排ガス温度、空気量等から装置設計に必要なデータを得る。
同時に熱交換器の表面観察等を行うことにより材質を評価し、装置材料及び構造の変更選定を行う。
・実用化モデルの検討 得られたデータを基に、熱回収利用システムのモデルについて検討する。
課題名・果汁残渣の有効利用
代表者:有限会社峰和 峰松 和作
概要:平成24年度は柑橘果皮中に多種含まれている機能性成分(フラボノイド)の一部を同定確認できた。柑橘果皮の乾燥粉砕品、及び乾燥粉砕品を配合した飼料がα―トコフェロールと同じ様に抗酸化能力がある事をDPPHラジカル消去効果で確認した。またドッグフードに規制されている農薬は乾燥粉砕品、配合飼料を分析した結果、検出されなかった。乾燥粉砕品を含んだ数種の配合飼料を作成しマウスの飼育を行い、食喰性、体脂肪蓄積性(メタボ対策)、体臭、排泄物の消臭性を確認し、想定通り機能性が出現した。また飼育終了後のマウスの血清生化学検査や胃、肝臓の病理診断の結果、異常はなく、本研究で作成した飼料は安全で機能性のあるものと判断することが出来た。
平成25年度は、
①飼料の対象がドッグフードであるため、実用に即した配合で同様なテストを行う予定で、特に消臭に重点をおきたい。
②市場調査の試料として量産試作を既存ペットフードメーカーで行う。配布先としては獣医、専門店、フードメーカーを考えている。
法規制(農林水産省);平成21年ペットフード安全法が施工され、原料、製造方法、表示など厳しい基準、規格が定められている。先ず規制に合格している既存メーカーで実施し、数量が伸びれば製造も企画したい。
・実用化モデルの検討 得られたデータを基に、熱回収利用システムのモデルについて検討する。
課題名・カキ筏の廃竹・林地残材竹を原料とした薄物パーティクルボードの製造技術
代表者:ジェイズコーポレーション株式会社 長瀬 真子
概要:「カキ筏の廃竹」、「林地残材の竹」この2点を原料に、4mm未満の厚みで高い強度性能を有した薄物パーティクルボードの製造技術を確立する。また,次段階として難燃性等の高機能の付加も合わせて試みる。 林業技術センターでは実機製造パーティクルボードの様々な強度試験を行うと伴に,所有のチップ粉砕機で数種のスクリーンによりチップ粒子の異なるテストピースを作成し,強度性能の向上を試みる。また異物除去の検討,次に難燃性等の付加を試みる。 ジェイズコーポレーション㈱は原材料の調達,固定破砕機にて1次破砕原料チップを製造し、竹原工業㈱と林業技術センターに提供する。 竹原工業㈱はスクリーン・パルマンで二次破砕を行ったチップ使用し実機製造を最小ロットで行い、3尺6尺の実販売製品を林業技術センターに提供し伴に強度アップを目指す。
代表者:広島修道大学人間環境学部 川村 邦男
概要:
繊維製品廃棄物の大半は焼却処分されており、リサイクル率は約20%にとどまっている。従来、衣料品等天然繊維混合繊維製品廃棄物は反毛として自動車用などの産業資材として再活用されていたが、反毛の価格が下落し、リサイクル率が低下している。また、ポリエステル/天然繊維混合繊維製品廃棄物の綿からエタノールを製造する技術開発が行われているが、製造コスト等の課題があり事業化には至っていない。 一方、提案者は固体触媒存在下で連続的かつ短時間の熱水処理が可能な、フローリアクターを開発した。本課題では、本技術を用いてポリエステル/天然繊維混合繊維製品廃棄物の循環型マテリアルリサイクルシステムの高効率化・高付加価値化・低コスト化によるリサイクル率の向上と、繊維製品廃棄物の減量化をめざし、以下を検討する。 ①熱水フローリアクター技術を用いることで、木綿・羊毛廃棄物を酵素を用いないで、短時間(数秒〜数100秒)に連続分解処理する条件を明らかにする。 ②木綿からは5-(ヒドロキシメチル)-2-フルフラール(HMF)、羊毛からはアミノ酸などの有用化学製品の生成条件を最適化する。 ③実用化のためのスケールアップ法、回収法、市場を検討・調査する。課題名・堆肥化施設を活用した汚泥固形燃料化プロセスの開発
代表者:久米産業株式会社 太田 欽幸
概要:汚泥を原料とする堆肥化は市場縮小が進む一方で、固形燃料化は長期的・安定的リサイクルとして市場拡大の動きが見られる。 しかし、汚泥の燃料化は、乾燥に多量のエネルギーを消費することから、経済的に成り立つ要件の整理が必要な段階にある。この研究は、堆肥化における一次発酵の技術が、発酵熱による水分低減と易分解性有機物の分解による臭気成分削減に寄与することに着目し、乾燥工程の前段経費を削減する試みである。開発手順は、 ①目的に適う微生物群(発酵の主役)の検索・選抜・同定、その効率的活用のための環境調整、 ②水分を50%以下に低減した一次原料から燃料原料にする乾燥工程、 ③一次原料と燃料原料としての評価及び用途開発調査とする。 1年目は、安定的に搬入される汚泥を供試試料として実験室規模で推進し、上記①~③の成果を踏まえて2年目に実用規模に拡大する。
課題名・廃タイヤ乾留炭化物のポーラスアスファルト舗装材への有効利用(アスファルトプラント実機で製造したアスファルト混合材の研究)
代表者:株式会社米倉社会インフラ技術研究所 米倉 亜州夫
概要:年間100万トンも排出されている廃タイヤを燃料として燃やさず、廃タイヤに約40%含まれているカーボンブラックを乾留して取出し、これをアスファルトに添加することによって、アスファルト舗装の強度増進と長寿命化を図り、同時に燃やさないことから、二酸化炭素の排出削減にも貢献できるということから、廃タイヤの有効利用方法を検討する。 平成25年度は、アスファルトプラント実機でのポーラスアスファルト舗装混合物の製造実験を行う。 平成24年度の室内での手練による実験とは練り混ぜ性能が著しく異なると思われる。廃タイヤ乾留炭化物中のカーボンブラックは0.1μm以下の超微粒子であるが、均一に分散していないと、アスファルト同士を結び付ける架橋効果と紫外線遮蔽効果が発揮されない。 本研究では、乾留炭化物と石粉との事前混合による混合物の分散性の検討と実機での練り混ぜによる分散性、紫外線劣化と混合物の品質試験を行う。さらに事前混合物の製造販売方法について検討する。
課題名・汚染土壌・汚泥固化工法にて封じ込め措置の技術研究
代表者:大道建設株式会社 川井 雅広
概要:重金属汚染土壌の最終処分量削減を目的として,セメント,調整材(脱水ケーキまたは粘土)を汚染土壌に混合して真空固化させ,現位置に環境安全に埋め戻す技術を開発する。真空固化によって,内部の気泡や余分な水分を除去できることから,固化後の亀裂発生を抑制できる,セメント,粘土による二重の物理的封じ込め効果,大気養生の際,固化体内部が真空のため外面に大気圧が作用し強度発現が早い,等の効果を期待できる。 昨年度,模擬汚染土壌を用いた本法による固化体のタンクリーチング試験の結果,土壌環境基準(溶出基準)を満足する結果が得られた。また,500m3の汚染土壌の処理を想定したコスト試算の結果,8,800円/m3以下にすることが可能であることが示された。 今年度は, ①実汚染土壌を用いた各種溶出試験や固化体断面のSEM-EDX観察等によるメカニズム解明, ②土槽を用いて屋外環境下で実験し,効果を検証する, ③実汚染サイトにおける試験施工を積極的に展開し,実績づくりを目指す。
課題名・かき殻リサイクルに関する用途開発検討
代表者:丸栄株式会社 沖野 靖将
概要:肥料や飼料としての販売が減少傾向のため,かき殻が過剰傾向となり,かき殻を原料とした安価で新たな商品の開発が望まれている。 本研究では,微生物の利用により,かき殻の焼成処理が不要な新たな有機酸カルシウムの効率的生産技術を開発する。 ・ かき殻の多孔性を利用した微細孔中への有機酸生産微生物(酢酸菌,乳酸菌,グルコン酸菌等)の固定化及び有機酸の生産速度の向上。 ・ 微生物による有機酸生産と炭酸カルシウムの化学反応を同時に行うことによる生産物阻害を軽減した有機酸カルシウムの生産技術。 ・ 有機酸カルシウム生産に伴って析出するかき殻中の機能性物質(コンキオリン等)の効率的な回収技術。
課題名・かき殻による路面用油吸着材の開発
代表者:丸栄株式会社 沖野 靖将
概要:かき殻は、多孔質の特徴があり、物質の吸着について一般の炭酸カルシウム資材(石灰岩)よりも優位性がある。本研究は、こうしたかき殻の特性に着目し路面用油吸着材の開発を行うものである。 一般に市場に出回っている油吸着材は焼成珪藻土などの原料のものがあり、吸収性に優れるが重量あたりの価格面での市場競争力はカキ殻粉末が優れていると思われる。そのため価格対効果で市場の選択性を持たせる必要がある。 西部工業技術センターでは丸栄㈱より提供されたカキ殻粉砕物と比較対象資材をもとに吸着能力や最適粒度など基礎研究と引火対策資材(乳化剤添加等)の配合材料の選定試験をおこなう。 研究によって得られた情報をもとに丸栄㈱は製品サンプルを作成。 ロードサービスを展開する会社で各気象条件での作業性など製品修正に必要な情報収集のための委託評価を行う。 最終販売対象はロードサービス(民間レッカー会社やJAFなど)だけでなく、消防などにおいても拠点配備がされる品目であるので、年間一定のカキ殻の消費を期待する。
課題名・広島県内における新規かき殻リサイクルシステムの構築に係る調査研究
代表者:県立広島大学生命環境学部 西村 和之
概要:広島県のかき生産量は全国第1位を誇り、特産品としてのブランド化等の水産振興施策が進められている。 近年、かき殻の排出量増加、飼肥料としての需要の減少に伴い、年間2万t前後の余剰のかき殻が発生する事態となっており、すでに数年間累積したかき殻で保管場所も限界を迎えている。 そこで、本研究では、喫緊の課題であるかき殻の実用的な利用方策の開拓に関する調査・研究を行い、広島県内で包括的に取り組めるリサイクルシステムの構築を目指すものである。 本年度に実施する主な内容は次のとおりである。 1) 先進事例調査(既往の研究・視察等) 2) 新規リサイクル手法の抽出・体系的評価 3) 検討課題の抽出 4) 関係者による検討会議の実施 5) 新規リサイクルシステムのあり方の整理・とりまとめ ※アドバイザリーには検討会議に出席いただき意見を聴取する。
課題名・カキ殻等のリサイクル材を活用した土壌改良材の開発
代表者:日の丸産業株式会社 河尻 義孝
概要:現在、カキ養殖が盛んな広島県では、年間のカキ殻産出量が8万トン程度と多く処理等の問題がある。また、別の問題として、林業分野では、ナラ、松枯れ等の被害がある。 一方、農業分野では野菜等の畑の、連作障害、悪臭(有機肥料)等の問題がある。そこで、これらの問題を解決するため、カキ殻を用いて林業分野および農業分野で適用できる土壌改良材を開発する。 材料研究は有機材である炭をベースとしカキ殻の配合比、開発する土壌改良材の成分、臭気、形状等の検討を行う。 林業分野の研究としては、広島県内のナラ、松枯れが進行した地域に土壌改良材を散布し、土壌pH等の測定を行う。 農業分野の研究としては、プランターにより野菜(ホウレンソウ、ブロッコリー、小松菜等)を栽培し、成長や含有成分比較等の試験を行う。また、費用対効果を検討する。
課題名・廃石膏を用いた無機排水処理剤の開発
代表者:株式会社ワイエスデー 吉田 忠弘
概要:有効利用の用途拡大が求められる廃石膏について,それを原料とした無機排水処理における置換法の陽イオン薬剤を用いたメッキ工場等の無機排水処理システムを開発し,廃石膏の有効利用先を拡大する。本処理システムは,既存設備を活用でき,汚泥を増加させることなく,排水基準を遵守できる安価で安全なシステムとしての開発を目指す。 本研究では,実際に水質変動などのある排水処理施設へ廃石膏を投入した際の効果を調査する。 また,ラボスケール試験で把握した①連続処理での石膏粉流出の可能性や、②表面処理工程で使用するキレート剤などの有機物が不溶化及び凝集を阻害(以下,凝集阻害という)する、などの問題点についてラボ試験で対策を検討し,汚泥を増加させないで排水基準を達成する本技術の導入を促進する。
課題名・過熱蒸気を利用した廃プラスチックの油化技術開発
代表者:株式会社センタークリーナー 大濱 正歴
概要:廃プラスチックのリサイクルの中で、油化技術は廃PP,PE,PSが対象であり、廃プラスチックの分別処理が必要である。油化技術の大半がバッチ式であり、生成油も重質油の割合が多く、またワックス分が多く、熱効率が悪い等の欠点がある。しかしこれらの欠点を克服した技術が特許化され、この技術を利用することにより廃プラスチックの油化が可能と考え、本研究を実施した。 ㈱リサイクルエナージでは、本特許を(財)北九州産業学術推進機構から実施許諾を受けており、ラボ実験装置で行った結果、廃PP,PE,PSだけでなく、廃PVC,PETが10%程度混入しても油化を可能であり 、軽質油(ナフサ、軽油)の割合が多く、ワックスを含まない生成油の製造が可能であった。このため昨年度は、より事業化に近い技術を確立するため、10kg/hの廃プラスチックの油化システムを試作し、触媒の種類と添加量、反応炉内の温度、ガス化条件等を検討し、油化技術の最適条件を確立する予定であったが、試作した油化装置の配管から生成ガスが漏れ、装置の改良に時間がかかり、試作した装置での油化実験が行えなかった。 今年度は、昨年度できなかった廃プラスチックの油化技術の最適条件を確立するとともに、廃PVCが混入しても油化が可能な技術を確立し、事業化の可能性を検討する。
課題名・LPガス用FRP容器のリサイクルに関する研究
代表者:中国工業株式会社 細川 光一
概要:従来のLPガス用容器は鋼製で重く、運搬に大きなエネルギーが消費されている。現在、日本では業界団体と行政とでFRP製のLPガス用容器の技術基準化が進められており、近い将来広く市場で流通することが計画されている。 FRP製容器は軽量で運搬し易い等の優れた性能を有している一方、使用後の適正処分技術はなく普及の大きな障害となることが予想されている。 本研究では、FRP製LPガス用容器を可溶化処理し、可溶化されたプラスチックは循環溶媒あるいはエネルギー資源として再利用すると共に、回収したガラス繊維を素材原料として再利用する技術を開発する。 本研究で開発された技術が実用化されれば、FRP製LPガス用容器をほぼ完全にリサイクルすることが可能になり、資源の有効利用に貢献すると共にFRP製LPガス容器の普及に大きく貢献することが期待される。なお、この技術は既存のFRP製品にも適用が可能で、当社の既存製品である飼料タンクやサイロのリサイクルにも反映したいと考えている。 昨年度の成果として高い可溶化率を達成したことに加え、いったん可溶化された樹脂を熱分解し、循環溶媒として繰り返し使用が可能であること、また、回収したガラス繊維を使って作成したFRP材での曲げ強度試験に於いて一般的な強度を得ること等を確認した。今年度の研究では、実用化に向けてシステム全体の最適化を図る。
課題名・ 電場を利用した使用済み高吸水性ポリマーの実用的な脱水脱塩技術の開発
代表者:株式会社メセナ 國政 悠也
概要:(NPO事務局にお問い合わせください)
課題名・使用済み携帯電話等からの有用金属回収に関する研究
代表者:広島国際学院大学工学部 遠藤 敏郎
概要:本事業では中間処理事業者が使用済み携帯電話等を回収し付加価値を付けて精錬メーカー等に売却することを目的としている。最近、貴金属、レアメタル等の資源回収技術の動向として、有用金属別に素子類を分離・分別することが求められており、本来、解体を基本とする中間処理事業者の役割が増したと判断している。 このため本事業では、 (1)素子類を破壊しない新たな破砕技術を研究する。 シュレッダー、或いは炭化破砕では素子そのもの回収は不可能となる。 (2)基板等より素子類を分離する技術の開発を進める。 すでに予備的な装置を試作して進めており、一応良好な結果を得ているが、実用装置開発を進める。この際、携帯電話以外の電子基板処理も視野に入れた事業化を検討する。 (3)基板より分離した素子類をできる限り素子別に分別する技術を開発する。 ある研究機関では大型で高価な気流を利用した分別機の開発が進められているが、メッシュ並びに磁気分別で可能ではないかとの知見を得ている。 (4)素子を取り外した金メッキの残る基板、或いは金メッキコネクター等からの金の回収を、ヨード化を含めて、検討するとともに売却方法を調査する。 (5)素子類に使用されている有用金属を分析し、素子別の売却価格と素子類を取り外した基板(銅が主成分)の売却価格、並びに売却先を調査する。
課題名・鉛蓄電池リユース促進のための性能診断技術開発
代表者:広島国際学院大学工学部 渡邊 真彦
概要:現在様々な機器に蓄電池(二次電池)が利用されている.中でも鉛蓄電池はその歴史の長さや安定・安全性から輸送機器をはじめ施設用バックアップ電源として莫大な量が日々利用されている. また,これらの鉛蓄電池は複数個の電池セルを組み合わせたブロック電池として利用される事が多い. メーカーはこれらの鉛蓄電池に対して「期待寿命」と称する平均的な寿命を提示してユーザーのメンテナンス周期の目安とするよう勧めているが,これは電池を単セルで利用する場合の期待寿命であり,ブロック電池では個々の性能のばらつきによる利用時のトラブルや実質的な寿命が短くなるなどの問題がある. このような問題を事前に発見する為の計測診断手法がいくつか存在するが,どの場合にも測定器自体が非常に高価であったり,取扱が難解であったりして現場での利用は限定されてきた. 本研究では,鉛蓄電池を安全に長期間使う為に必要となる性能診断法について安価な計測器にて実施出来る手法を開発することを目的としている.
課題名・廃棄物管理のための放射性物質検知システムの海発
代表者:一般社団法人広島県資源循環協会 川本 義勝
概要:東日本の震災後様々な廃棄物が広域的に移動することが想定され、中でも放射性物質に汚染された廃棄物が多種多様なルートから広島県内に搬入される事が想定される。 一方広島県から、(一社)広島県資源循環協会へ広島県内の廃棄物の受け入れは100Bq/kg以下とし、傘下の会員への周知徹底の依頼があった。これに対応するためには検知装置が必要であり、昨年度廃棄物をトラックで積載された状態で放射線量を測定する放射線検知装置を試作した。しかし装置の設計・試作に時間がかかり、廃棄物の正確な放射線量を測定できるまでには至らなかった。 今年度は試作した装置により、複数の放射能標準物質を用いて車輛、各種の廃棄物や量での正確なデーターを取り、このデーターをもとに自動的に放射線量を補正するシステムを確立し、放射性物質検知システムを構築する。 本システムを用い、100Bq/kg以上の廃棄物の受け入れを拒否することで(一般)広島県資源環境協会傘下の会員と地域住民との信頼性を構築し、今後の事業展開の向上を図る。