【課題名】家禽飼料用DHA・EPAサプリメントの食品製造廃棄物からの製造
【代表者】 株式会社山豊 ・ 山本 千曲
【概要】食品製造廃棄物を用いてDHAやEPAといった多価不飽和脂肪酸を生産するスラウストキトリッドを培養し、スラウストキトリッドバイオマスの混合物を出荷前の1ヶ月の間、ブランド肉用鶏(広大鶏) の成鶏に給餌し、鶏肉中のDHA・EPA強化を評価することで、ブランド鶏肉のさらなる高価値化に当該サプリメントが有用であることを明らかにする。また、サプリメントを凍結、凍結乾燥、造粒成形乾燥して凍結、常温、真空と常圧条件下で保存し、DHAやEPAの含有量の変化を把握すると共に、タンパク質、Caやリン、塩分含有量、アミノ酸組成、有用細菌(乳酸菌)、病原細菌(サルモネラやビブリオ)といった同伴微生物叢も評価することで、機能という観点から望ましいサプリメントの供給形態を明らかにする。そして、大量培養によるサプリメント生産にかかるランニングコスト、ならびにサプリメント販売価格を検討し、ビジネスの成立可能性を明らかにする。
【課題名】廃プラスチック類を活用したバイオコークスの利用に関する研究
【代表者】 株式会社センタークリーナー ・ 大濱 正歴
【概要】カイハラ産業(株)の繊維廃材に特化したバイオコークスの製造を主体とし、
カイハラ産業 (株)の自社利用システム構築を目指した実証研究を推進する。
このために、使用上優れた小径バイオコークスに係る製造、供給、熱利用の実証利用の展開を整理する。併せて、繊維廃材のプラスチックを対象にしたバイオコークスの結合構造のメカニズム結果と性状への反映(原料の細断状況、強度等の機械特性、燃焼特性、外径寸法の効果等)をもとに品質の安定化を図る。全体として、製造仕様の確立と燃料として使用する温水設備側の整備(温水ボイラー仕様、燃焼炉の腐食・摩耗、熱効率向上策、灰分析等安全性確保)を実施する。
事業利用におけるエネルギー収支およびコストの最適化に係る研究をもとに
全体システムに反映し事業化に繋ぐ。
【課題名】使用済自動車用バンパー等プラスチック類のリサイクルシステムの構築
【代表者】株式会社荒谷商会 ・ 八畝田 諭
【概要】1.見込み販売先の受け入れ条件の調査・調整
(1) 過去2年間の物性試験等の成果をもとに、見込み販売先と受け入れ条件等を協議する。
(2) 昨年度に購入した洗浄脱水機の能力を定量的に把握し、販売に反映させる。
2.バンパーフレークのパイロット販売の実施
現在内装材フレークの販売を実施しているが、あわせてバンパーフレークのパイロット販売を実施する。装置共用の問題点等を探る。
3.残存塗膜量の評価法の確立
残存塗膜量は特に外観品質に関わる。画像情報による定量的な評価方法を追求する。
4.ペレットの品質・物性試験
大学および西部Cの協力を得て、今年度緒引き続き実施する。
【課題名】廃ガラスの新たな建築資材への用途開発
【代表者】株式会社こっこー ・ 日山 健一
【概要】現在、廃ガラスのリサイクルについては、ガラスの種類によってガラスやビーズ、グラスウール、軽量発泡土木資材等へ使用されているが、リサイクルが難しいものは埋立処分されている。また、今後は太陽光パネルの廃棄量の増加に伴い、その構成である廃ガラスについてのリサイクル方法の検討も必要となってくる。
今回の研究事業では、太陽光パネルを中心とした廃ガラスの建築資材への利用を含めたリサイクル用途について調査・研究を進め、製品開発へ展開することを目的とし進めて行くものである。
【課題名】微粒子酸化鉄を応用した、廃棄物焼却における環境負荷低減に関する研究
【代表者】 戸田工業株式会社 ・ 山本 洋介
【概要】循環型社会の達成に向けた取り組みの中で、焼却施設に対しては排出される燃え殻の低減、重金属不溶化、排ガスの無害化等が求められている。本研究では、燃え殻の改質(排出抑制、有害金属溶出抑制)、有害ガスの低減を目的とし、燃焼促進効果を持つ微粒子酸化鉄を用いた焼却試験を進め事業化へ向けた検討を行う。
検討方法としては、微粒子酸化鉄を廃棄物と混合し焼却する。焼却施設は、廃プラ、産廃汚泥を処理可能な炉を所有する(株)山陽レックと協業し、微粒子酸化鉄の添加形態、添加方法、添加量について試験、検討を行う。焼却後の燃え殻、飛灰、排ガスなどの分析を行い、微粒子酸化鉄の燃焼促進による①燃え殻量の低減(未燃炭素低減)、②燃え殻の鉛溶出量の低減(Fe化合物形成による鉛不溶化)、③有害ガス低減効果(CO等)について確認する。
【課題名】流動化処理土の適用拡大のための強度・変形性能向上技術の開発
【代表者】 広島工業大学工学部 ・ 金子 治
【概要】建設汚泥あるいは残土のリサイクル材料である流動化処理土は品質が比較的不安定なため,建物地下空間の充填や地中埋設物周りの埋め戻しなど用途が限定される.それに対し,構造性能(強度や変形性能)を向上させることができれば,支持地盤や杭引き抜き後の埋め戻し材としての利用など適用範囲が広がり,リサイクルの拡大につながることが期待される.また,適用拡大のために杭の引き抜き後の埋め戻しへの適用も有望と考えられる.
そこで,流動化処理土に強度や変形確保のための繊維材料などの添加,あるいは流動性確保と材料分離防止のための脱水ケーキなどの細粒成分や混和剤の利用など,品質向上・安定のための改良に関し,模型・現場実験による性能確認および実機による製造実験を行って実用化をはかる.
【課題名】建築現場における産業廃棄物「余り生コンクリート」の排出抑制
【代表者】 トライアロー株式会社 ・ 定岡 範佳
【概要】命題:県内で永年的に発生している建設現場生コンクリート余り減少~廃棄物抑制及びリサイクル新規手法の発掘
概要:県内でおよそ3万m3程度発生している建築現場での生コンを
・発注前に目視に変わって機材(3Dスキャナー等)測量し、より正確に
・余り発生後も現在の処理方法に加えて「安価」「処理しやすい」をキー
以上を叶える手法を発見する
その為の実用精度向上目的で
(1)他材料が測量阻害になる条件等について
(2)生コン配合毎で収縮や投下時間等の差異
(3) 今までの処理方法仕分け(割合含む)と課題
を研究対象とし現場や試験場所でテスト→結果分析→成果作成を実施する
【課題名】食品製造の歩留まり向上による廃棄物削減の研究
【代表者】 有限会社小田食品 ・ 古谷 憲一郎
【概要】「イカせんべい」を熱圧縮成形で製造する際に出る不良品の一部は現在廃棄している。不良品廃棄量を削減するため、次に示すステップを踏み、不良品(「焦げ有り不良品」および「試し打ち品」)を再利用できるようにする。
1.「焦げ有り不良品」の焦げ部や「試し打ち品」等の表面の多面的なチェックを
行う。
蛍光X線分析や電子顕微鏡(SEM)観察、あるいは専門分析会社への依頼など多面的な元素分析や成分分析を行い、焦げ有り不良品の焦げ部の表面及びその内部近傍の素性を明らかにする。
2.前年度末の調査で、一部鉄成分の存在が認められたので、その混入経路を明らかにするとともに、いわゆる鉄成分のコンタミを無くす工程や取り除く手法を開発する。そして再利用の実用化に向けその結果を反映する。
3.共同食品工業との間で、成分の限度や受入基準を設ける。製造工程の在り方も両社で検討する。
4.不良品の粉砕試験を外注により行う。これらの結果を見ながら、不良品削減に最適な粉砕装置の仕様を検討する。
【課題名】下水汚泥を主原料とした堆肥化技術の生産性向上に関する研究
【代表者】 双葉三共株式会社 ・ 中祖 孝幸
【概要】双葉三共㈱はツネイシカムテックス㈱の子会社で、おもに下水汚泥を発酵させることで堆肥化し、肥料として販売している。
食品残渣に比べ下水汚泥を原料とした場合は生産量が低く、特に冬場の生産量低下は顕著である。
堆肥化の主役である微生物が季節変化しているのか、あるいは基質となる有機物が変化していることが考えられるが、根本的な原因の解明には至っていない。
そこで菌叢解析とMVOCsの測定によって発酵効率の季節変化との関係を調べる。また生物的要因だけでなく、温度や粒度といった物理的項目についても季節変動を確認する。
発酵中の槽の水平方向、深度方向の温度履歴を測定し全体の温度分布を確認し、冬場の生産低下の要因を調査する。断熱と水分蒸発のバランスを最適化し、生産性を向上するための施策を検討する。
【課題名】赤紫蘇ふりかけ製造工程における廃棄物削減の研究
【代表者】 三島食品株式会社 ・ 張 卓然
【概要】赤紫蘇ふりかけ「ゆかり®」は、赤紫蘇生葉を収穫後、選別、塩蔵、細断、調味、乾燥の工程を経て作られている。商品の品質を維持するために、製造工程の各段階で生葉と赤紫蘇の先端部分である塩蔵茎を廃棄している。
消費者の健康志向を背景に、健康志向食品市場が伸展している。赤紫蘇には、ポリフェノール類等の有効成分が含まれていることから、赤紫蘇廃棄物の機能性を付与した新たな食品素材として有効活用したい。
本研究では、赤紫蘇廃棄物の新規利用用途として「赤紫蘇茶」を検討し、商品化の実現可能性を探る。赤紫蘇関連商品の健康志向食品市場での価値を調査するとともに、高品質な赤紫蘇茶へ加工するための加工技術を開発する。開発技術により、赤紫蘇廃棄物を有効活用し、廃棄量の90%削減を目指す。
【課題名】食酢醸造工程で発生する圧搾粕の調味料原料としての活用技術の開発
【代表者】 お多福醸造株式会社 ・ 佐々木 孝雄
【概要】食酢醸造工程で発生する有機性副産物である圧搾粕には、珪藻土・活性炭を含む「不可食粕」と、米糖化液(米もろみ)圧搾粕や酒粕の「可食粕」がある。当社では、飼料や肥料原料用として粕のすべてを社外で処理してきたが、継続性の懸念・SDGsの観点から、できるだけ社内で利用すべきと考えている。
広島の特産加工品ともいえるお好みソースには、原料由来の固形分を多く含み茶褐色を呈することから、粕を一定量添加してもソースの品質に悪影響を与えることなく可食粕を利用できると考えた。しかし、過去に調味料原料としての適性や具体的な利用例に関する情報がなく実現には至ってない。
本研究では、可食粕の調味料原料としての適性を解明し、その利用技術を確立することにより、フードロス削減・食料自給率向上への貢献を目的とする。初年度は粕の原料適性評価および試験機レベルでの粕の細粒化方法・導入装置の決定を、次年度は装置の導入及び実用化試験、採算性評価等を行う。
【課題名】家畜排せつ物に係る新たな有効利用法の探索について
【代表者】 JA全農ひろしま ・ 片島 恒治
【概要】畜排せつ物を資源として有効活用を行うため、次の内容に関しての研究を行う。
○取扱性向上技術の開発
堆肥化された家畜排せつ物の安価な加工(固化、脱臭等)技術の開発
・ペレット化の検討
・臭気軽減の検討
○堆肥使用による優位性の検証
・特定の成分を含む家畜排せつ物により生産された農作物の栄養成分等の評価による農産物の差別化(耕種農業分野での消費促進)
○商品展開に係る調査・検討
・緩効性肥料の開発
・家畜排せつ物の他産業分野での利用に向けた探索
【課題名】FRP製LPガス容器の効率的・効果的なリサイクル方策に関する研究
【代表者】 中国工業株式会社 ・ 大木 優一
【概要】弊社製造のFRP製LPガス容器(以下、FRP容器)の使用期限である20年後、また5年毎の再検査などでの不良による廃棄FRP容器の分解・リサイクル方法の確立を目的とする。
FRP容器は熱可塑性樹脂である高密度ポリエチレンのケーシングやライナー、FRPを構成する熱硬化系樹脂やガラス繊維、金属製の口金やバルブといった素材の複合で構成されている。このFRP容器について、以下の流れでリサイクル研究を行う。
1. FRP容器のFRPとライナーを分離する。
2. FRPを粉砕する。
3. 粉砕したFRPをフィラー(充填剤)としたFRP試験片を作成、強度試験を行う。
4. リサイクル製品の用途・需要の探索。
5. ポリエチレン部リサイクル品の用途・需要の探索。
【課題名】焼却施設における廃プラスチック類の増加への対応による熱回収の向上に関する研究
【代表者】 ツネイシカムテックス株式会社 ・ 山脇 徹也
【概要】近年、ツネイシカムテックスの焼却炉で焼却される産業廃棄物のうち廃プラスチック類が占める割合が上昇してきている。廃プラスチックは発熱量が大きいため、燃焼時に周辺の温度が高くなりクリンカを発生させやすい。
クリンカは、燃焼時に局所的な高温(1200℃以上)になったときに灰が溶融することで生成し不燃物(金属、コンクリート等)を巻き込んで大きくなるとされる。
クリンカが炉体に付着すると炉体を損傷し、ボイラ内部に付着すると熱回収効率が低下するため、運転を停止し除去する必要がある。
焼却炉で生成したクリンカ、燃え殻(主灰)、飛灰に対して、元素分析、X線回折測定、示唆熱分析など行い構成物質、構造、融点等の物性から生成機構を調査する。得られた結果をもとに数値解析、実験的な再現を行いながら、廃プラスチック類の増加に対応した安定操業、効率的な熱回収の実現を目指す。
【課題名】環境負荷軽減型のカキ垂下式養殖の考案
【代表者】 広島市漁業協同組合 草津かき支部 ・ 木村 健太郎
【概要】本研究は広島県におけるカキ養殖の養殖器具流出,採苗・成長不良,底質悪化,餌料不足に対策となる養殖方法の考案を目的とする。
昨年度の研究において,筏仕込みに先立って行った簡易試験により,コレクターをネットで囲み垂下用ロープに固定することでパイプの使用をしない試験を実践した。養殖初期の魚類等による食害を防ぎ、コレクター1枚あたりの成長したカキの歩留まり向上が確認できた。養殖中の脱落をネットで防げるため,落ちカキによる底質負荷を抑制,水揚げ高も大きくできる結果となった。但し,仕込みにや収穫に手間がかかり取り回しが悪いことや,籠のネットへの生物等付着が多く,その解決が技術普及に求められる。ネットへの付着物は防汚塗料の選定を行い効果の検証を行っている。課題に則した試験籠の形状変更と試験運用を本年度で行う。
バッチ式試験によってカキ一個体が斃死した場合のCOD等を計測し,落ち牡蠣による負荷を算定するための数値を計測した。無機化までに要する時間等の計測を継続している。突発的な貧酸素水塊の発生の原因になりうるか等の基礎数値となる。
仕込み時の筏の重さが軽くなるため,発泡スチロールフロートの数量減少できるとともに,強固な素材への代替資材への移行を経済的な障壁を軽減できる。本モデルをより多くの生産者が導入するには水揚高増など経済的なメリットが不可欠であることから,同技術を応用した場合の牡蠣の成長や歩留まりなどを調査し,経済性を明らかにする。
【課題名】浄水場汚泥の減量化・再資源化のためのデジタルデータ収集技術の開発
【代表者】 株式会社シンヒロ ・ 宮川 裕正
【概要】本年は、研究テーマのうち、デジタル化のためのデータ収集を中心に行う。
通常通り天日乾燥床の作業を行いながら、汚泥が乾燥するまでの経緯を細かく観測し(可能な限り数値化)、最適な乾燥条件を探索して、新たな処理システムを構築のためのデータ収集とする。
汚泥乾燥作業記録及び工程進捗毎にリンクした、汚泥含水比の変化や気候条件の変化等の記録を約6ヶ月かけて行う。
【課題名】災害廃棄物処理の効率化に関する研究
【代表者】 一般社団法人広島県資源循環協会 ・ 三谷 哲也
【概要】大規模災害時においては官民が連携しながら災害からの早期復旧を目指し,災害廃棄物の処理を行っていくことが重要である。
広島県では,「災害廃棄物処理に係る市町等初動マニュアル(令和元年5月)」を策定し,民間事業者との連携内容として「災害廃棄物の仮置場の設置及び管理」「災害廃棄物の撤去,収集運搬及び処分」と定めている。民間事業者との連携については資源循環協会が窓口となり,民間事業者のポテンシャルを最大限に活用しながら,災害廃棄物処理の円滑化を図っていく必要があるが,災害時における民間事業者の処理能力や仮置場の管理・運用方法等の具体的な手法は明確にされていない。
本研究では,官民が連携した災害廃棄物の処理体制を構築するため,県内における災害廃棄物の処理ポテンシャルを明らかにするとともに,仮置場での管理・運営方法について検討することを目的とする。